揮毫 三菱武道会創設者 岩崎小彌太社長


寂然不動(じゃくねんふどう)の出典
易経 繋辞上
易無思也、無為也、寂然不動、
感而遂通天下故、非天下之至神、
其熟能与此

(読み方)
易は思うことは無きなり、為すこと無きなり、寂然として動かず、感じて遂に天下の故に通じ、天下の至神にあらずんば、そのいずれかよく、これにあずからん。

(意 味)

易というのものは天の心待ちが、その卦(ハンギ)の上に現われるのであるから、易を立てるに当っては、思うことなく、なすことなく、自分がこういう卦を立てたいとか、こういうようなのが出来たらよかろうとか、或る予想するとかいうようなことをしてはならない。寂然として動ぜず、ただ自然に現れるのを待つのみである。
 天下の故に通ずる易を行うことは、天下の至神、神に通ずるという人でないとできない。感心して自然に現われる所を判ずるので、寂然にして不動、一切合さい自分というものはなく、神の御心に通ずるものである。


思無邪(おもいよこしまなし)の出典
論語 為政 第二 二章
子曰、詩三百、一言以蔽之。曰、思無邪

(読み方)
子曰く、詩三百、一言以って之を蔽(おおう)、曰く、思い邪(よこしま)なし。

(意 味)

心が正しく、少しも邪心がないこと。この言葉は元来、孔子が「詩経」を編纂したとき、その中の魯頌(ろしょう)の詩から引用したもの。「詩経」と同じく五経の一つである「礼記」と共通するものであり、所謂「正射必中」に通ずる。
落款の竹浦は、岩崎小彌太社長の雅号、題は印(しるす)を意味する。
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